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2009年10月16日

浅野いにお 世界の終わりと夜明け前

連続して浅野いにお作品です。



10個の話からなる、短編集です。(インタビューや巻末のラフは除いて)




各作品に共通して感じ取れるのは、

今の世の中はどこかつまらない、輝かしい未来が待っているわけでもない。

世の中がどうなっても別に構わない、自分の人生さえもどこか他人事。

自分は何をやっているんだろう、何のために生きているんだろう。

なんて、自分に対する不満、不安、空虚、絶望etc。

悪く言えばすべてにおいて、自己中心的。




(東京に出た漫画家の帰省)




だけど生きていれば、頑張っていれば、何かいいことがあるんじゃないか。

世の中だってホントは捨てたもんじゃないんじゃないか?

そんな淡い期待、願望。





(家族のあり方に悩んだ、失踪親父の帰宅)




自虐的な感傷が表面には浮かび上がってくるけれど、

裏腹に誰よりも幸せに飢えていて、孤独や不幸なんてものには関わりたくない。

だから、日常の小さな幸せやうれしい出来事に、敏感に反応するんだ。

だから、自分の成長に期待して、あがいて見せるんだ。




全部の作品を通じて、いろんな立場の人々の世の中に対する、自分に対する

不満や不安が自虐的に、はたまたノスタルジックに描かれていく。

これは、浅野いにお作品に共通することかもしれません。(まだ2作品目ですが)







(世界の終わりを考える高校生)



不幸自慢や、自虐的な感情に対して、「自分の不幸にうっとりすんじゃねーよ」

とか「結局はオナニーじゃん」って思う人には苦手な作風かもしれません。

でも10代20代の人に人気があるのはなんとなく分かる気がします。




個人的には、ここまで世の中に対して不満をもってそうな作品を描いていながら

作者自身は結構幸せそうだったりするんで、キライなんですが。

ここまで自虐的な作品ばっかりであれば、作者自身どっぷり不幸に浸かっているとかが理想です。

えぇ、個人的偏見満載ですとも。



作品自体は好きですよ。オススメしますから。


Posted by 花庭  at 19:48 │Comments(0)TrackBack(0)花庭

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